手作りワラーチで山を歩いてきた

最近「歩く事は全ての基本である」ということを師匠から教わりました。
当たり前のように思いますが、その背後には深い洞察と知恵が隠されています。
ここでは語り切れないので省きますが…その教えを実践する一環として、自作のワラーチを履いて山を歩いてきました。
ワラッチ / TaK ▲さんの金山(群馬県)・大八王子山の活動データ | YAMAP / ヤマップ
なぜワラーチなのか?
ワラーチとはメキシコ北西部のアメリカ州の先住民族「ララムリ」の履物で、長距離走に秀でた民族として有名です。
ワラーチはゴム製のソールに紐を通して足に固定する仕組みで、形状だけなら日本の「わらじ」にも似ていますね。
昨今のランニングシューズは厚底やカーボンプレート内蔵のソールが人気ですが、それらは足裏感覚を鈍らせ、本来の足の動きを制限していると感じることがあります。
一方、ワラーチは薄いソールで路面状況を感じ取り、足指で「鼻緒」を掴む感覚を通じて足のアーチ構造を意識させ、自然な動きを促してくれると思います。
ワラーチの作り方
ワラーチはとてもシンプルに作れます。以下の手順で完成です:
- ビブラムソール8338を用意し、足型に合わせて切る。
- ソールに3か所の穴を開ける(親指と人差し指の間、足の外側、足首付近)。
- パラコードを通して結び、調整して完成!
私は手元にあったパラコードを使用しましたが、耐久性を重視する場合は、アメリカ軍も使用する「タフグリッド」というパラコードが信頼できます。
あっという間に一足のワラーチができました!

ワラーチで山を歩いてきた
完成したワラーチを履いて、実際に山を歩いてみました。
最初は五本指ソックスを履いていましたが、登りに差し掛かると、靴下とワラーチとのズレが気になったので脱ぎました。すると足がワラーチと一体になり、すごく歩きやすくなりました。


足裏に伝わる感覚が非常に豊かで、地形に応じてソールがしなやかに変形するため、グリップ力が以外にも高かったです。
ビブラムソールの性能が純粋に良くて、硬すぎず柔らかすぎずで足裏を保護しながらしっかりと地面の情報を伝えてくれます。
履く前は、紐が当たる部分が痛くなるのではと心配していましたが、予想外にも快適で、痛みやケガもありませんでした。まるで素足の延長のような感覚で歩けました。
しばらく歩いてみて気づいた事としては、
フラット着地ではなく、つま先着地(母指球着地)が一番しっくりくる感じがあります。
とある記事で、鏑木さんがララムリに抱いた印象として次の発言が載っていました。
足音がしないんです。普通は暗闇の中から足音が聞こえてくるものなんですが、気配を消すと言いますか、スーっとやってきて、そのまま静かに走り去っていきました。
https://number.bunshun.jp/articles/-/824777?page=5
自分は通常の靴を履いている時、普段からフラット着地を意識していましたが、ワラーチで同じ感覚で着地すると、ペタペタと音が鳴ってしまい、衝撃を体に感じます。
鏑木さんのコメントによるとララムリは足音が聞こえないとあるので、走り方が違うのだと思いました。
そこで、つま先着地を意識して走ってみると足音が消えて衝撃も消えました。体も安定します。
普通の靴であればソールがしていた仕事を、足で行うということだと思いました。
この感想が芯を食っているか分かりませんが、これからワラーチを履き続けて色々な発見をしていきたいと思います。
まとめ
ワラーチは、足の自然な動きを取り戻し、足裏感覚を研ぎ澄ますための優れた履物です。自作も簡単で、数千円で作れます。
今回の山歩きでは、接地感や安定感を存分に楽しむことができ、足の健康にも良い影響を感じました。
「歩くことの基本」を再確認するためにも、一度ワラーチを試してみてはいかがでしょうか? 足元から新たな発見があるかもしれません!
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