難攻不落の城「金山城」の冒険

金山城は文明元年(1469)に築城された山城で、上杉謙信や武田勝頼などから十数回もの攻撃を受けながら、一度も敵の浸入を許したことがない難攻不落の山城です。
土塁や堀切などの施設の形跡が残っており日本100名城に選定されています。

今回は金山丘陵をハイキングしながら史跡めぐりをしようと思います。

史跡金山城址ガイダンス施設

まず、情報を入手するために史跡金山城址ガイダンス施設へ立ち寄りました。

史跡金山城址ガイダンス施設(建物のデザインがオシャレ)

入場は無料で、金山城の模型や遺物、当時の日記に裏打ちされた詳細なストーリーなどが展示されています。

大手虎口模型
虎口周辺の模型

核心部は撮影禁止なので画像などは載せられませんが、とてもワクワクする情報ばかりが展示されています。

大光院から行動開始

大光院の駐車場に車を停めて行動開始。
西山コースから本丸を目指します。

しばらく登って行くとピークにたどり着き「史蹟金山城阯」の石碑が現れます。

ここは彦七山と呼ばれているようです。

見附出丸

尾根伝いに本丸方面へ進んで行くと、堀切が現れました。

堀切とは敵の足止めや、敵の動線を絞り込むなど有利に戦闘を行うための防御施設です。

堀切を越えたところは見附出丸という、城の西側を警戒する歩哨を配置していた場所とされています。

見附出丸から堀切を見るとこんな感じで一段高い所から敵を制圧できます。

土塁の周囲は柵が設置されていたと考えられているそうです。

西城

見附出丸を突破した敵兵は西城へ進みます。現在のモータープールの上が西城です。

西城を攻撃する敵兵を阻む見附塹壕
堀切ではなく「塹壕」という名前がついているということは、敵の飛び道具を防ぎつつ反撃を行う施設と考えられているのかもしれません。

西城

桟道・西矢倉台

西城から尾根沿いに進んで行くと桟道にたどり着きます。

有事の際は桟道を破壊して足止めできるように簡素な作りだったそうです。
さらに進んで行くと、西矢倉台西堀切によって足止めされます。

西矢倉台からは塹壕を見下ろして一方的に攻撃できます。

西矢倉台から見下ろした様子

虎口

虎口は入り口をあえて狭くすることによって敵の勢いを弱めているそうです。また、通路をクランクにしたり、虎口の先を見通せないように組んである所が実戦的です。
左上には物見台があり、虎口に詰まっている敵兵の頭上を攻撃することも可能だったでしょう。

左手には立派な堀切が。堀切と言うより石切り場のようにも見えます。

馬場曲輪跡と大堀切

馬場曲輪には虎口を警備する兵士が常駐していたとされています。

ここを突破するといよいよ大手虎口なのですが、その前には金山城最大の大堀切があり、敵の進行を阻みます。

大手虎口

金山城一番の見どころ、大手虎口
両側が高地になっており、とても威圧感があります。

大手通路は奥に行くほど狭くなっており、遠近法によって実際よりも長い通路のように見えます。また、緩やかな右カーブで先が見通せないようになっています。
両脇に水路を作ることで排水性を高め、石垣を崩さないようにする工夫がなされていたそうです。

日の池

金山城には日の池月の池の2つ池があります。

日の池は山頂にある池としては稀な大池で、金山城における象徴的な場所の一つです。
生活用水として使用したり、戦勝や雨ごいなどの儀式にも使用されたと考えられています。
水の信仰と関わる平安時代の遺物も発見されており、築城以前から神聖な場所だったそうです。

樹齢800年の大ケヤキ

御台所にそびえる大ケヤキは樹齢800年と言われています。
金山城築城が1469年なので、築城の200年以上前からこの場所にあったという事になります。
金山城の歴史を全て見ている生き証人です。

本丸

本丸には新田神社と社務所があります。
この砲弾は何だろう。

本丸からの景色。

武者走りと馬場屋址

本丸の一段下の東側が武者走りと呼ばれる帯び曲輪です。帯状の曲輪によって兵士の素早い移動が可能になっています。

武者走りを進んで本丸裏に行くと、馬屋址があります。馬は神経質な動物なので静かな本丸裏に馬屋を配置したそうです。確かに現在も人気が無くて静かな場所です。

本丸残存石垣

本丸裏、馬場屋の隣に金山城の残存石垣があります。
金山城の石垣は殆ど復元されたものですが、本丸裏と南曲輪南面の二か所には当時の石垣が残っています。

「元禄太田金山絵図」と今の地形図を見比べる

史跡金山城址ガイダンス施設にも展示されている「元禄太田金山絵図」を見ると太田金山城のもともとの地形が良く分かると思います。

元禄太田金山絵図

この絵図は1701年に高瀬という画師により描かれたもので、金山城廃城の111年後の絵なので当時の地形はほぼ正確に表現されていると思われます。

現在の地形図と見比べてみると高い精度で一致しています。
例えば、大八王子山、中八王子山、熊野神社、貯水池の位置関係がおおよそ一致しています。

個人的に気になることは「大手道は何処を通っているか」です。
現在、金山城にアクセスするには金山城址線を通りますが、この道はオリジナルのルートではありません。南面に登山道がありますが、位置的に絵図の道とは異なります。

金山城の大手道が知りたい。
絵図を見るとガイダンス施設辺りから大手虎口まで直登するような道があるはず。
道を作るとしたらどこに作るか?地形図を見ながら2つ線を引いてみました。

赤い線はガイダンス施設裏の侍屋敷伝承地を通る道です。
しかし、急登すぎる気がするのでもう一つのルートを青い線で書いてみました。
大手虎口の場所を考えると、おおよそ線を引いた辺りに道があったのではないかと思います。

金山城址線の16番カーブのところは十数年前から発掘調査中のままですが、いつ発掘調査されるのでしょうか。

まとめ

金山城跡は、山城好きにはたまらないスポットです。実際に歩いてみると、当時の戦の様子や人々の暮らしをリアルに想像することができます。また、自然豊かな環境でハイキングを楽しむこともできます。

金山城跡は、訪れるたびに新たな魅力を発見できる場所です。歴史と自然、そして探求心を満たしてくれる魅力満載のスポットです。


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中の人

小林 拓弥
Instagram:tak.uyakobayashi  YAMAPヤマレコ

クローン病を乗り越えトレランや登山に挑む!健康を追求しながらアウトドアを楽しみたい!

・2014年 クローン病発症
・2022年6月 再燃
・2022年8月 ブログ開設。走り始める
・2023年5月 初めてのトレラン大会

興味関心:キャンプ/登山/トレラン/合気道
月間走行距離:150kmくらい

リザルト:
『上州八王子丘陵ファントレイル2023』58位(ハーフ男子39歳以下)
『古峰ヶ原高原トレイルラン2023』133位(ショート男子)

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