太田記念病院のクローン病の講演を聞いてきました

こんにちは。クローン病を患いながらトレランや登山を楽しんでいる小林です。
私は、2014年にクローン病と診断され、かれこれ8年闘病しています。

詳しくはプロフをご覧ください。

クローン病の初期症状はほとんど経験してきました。ネットに上がっている文献は一通り読み通し、病気についての知識はそれなりに勉強してきました。
今回の講演会では、現場の医師から最新情報を聞ける素晴らしい機会なので行ってきました。

太田記念病院

講演会の概要

「クローン病の最新医療・食事・就労」

配布された資料

日時:令和5年12月16日 13:50~15:50
会場:太田高等看護学院 講堂

講演テーマ:

  • 最新の医療情報
  • 食事の工夫について
  • 治療と仕事の両立支援

最新の医療情報

私の担当の先生の講義で、クローン病の概要、最新の治療方法、治療のフローなどの内容でした。

クローン病を簡単に説明すると、消化器管全般を脅かす慢性かつ活動性の炎症性疾患。
原因は不明で、現代医療では根本的な治癒は不可能とされています。
詳細はWikipediaなどにある通りです。

個人的に学びがあった所をかいつまんで書いていきます。

クローン病と潰瘍性大腸炎の違い

クローン病と潰瘍性大腸炎はとても似ている難病ですが、違いがあります。

スライド:潰瘍性大腸炎とクローン病の病態の違い

潰瘍性大腸炎
・炎症は表面の粘膜のみ
・範囲は大腸のみ

クローン病
・深い所まで潰瘍が発生し、穴が開いたり他の臓器と癒着したりする
・範囲は口から肛門まで消化管全体

クローン病は手術になるリスクが高い

小腸の壁は薄く、穿孔・狭窄が起こりやすいため手術が必要になる可能性が高い。しかし、手術を繰り返すと癒着や腸短症候群を引き起こす場合がある。
最近は狭窄を治す際に、内視鏡によるブジーという風船を膨らませる形で治療する方法もあるそうです。これにより開腹不要で、腸短症候群のリスクも下げられます。

治療原則は「症状改善」と「粘膜治癒」だが根治は望めない

クローン病の治療にはフローがあり、初期はペンタサなどの5-ASA製剤の投薬治療で、症状が進んでくるとステロイドなどを使用し、それでもだめならレミケードなどの生物学的製剤による治療を行うそうです。
現代医療では根治は望めず、治療原則は症状の改善粘膜治癒で、QOLを上げることが重要です。

クローン病は階段を上がるように進行していく

クローン病の症状には、炎症型・狭窄型・瘻孔型の3つがあります。

初期の場合は炎症型が多く、症状も軽微ですぐに緩解することが多いです。

しかし、緩解と再燃を繰り返しながら罹患年数が経過してしていくと、狭窄型・瘻孔型の割合が増えていき、やがて手術が必要になってきます。
クローン病の症状は「Chronic active(慢性活動性炎症)」といい、症状がない緩解期であっても治療の継続が必要になります。

スライド:クローン病における病態の自然経過

要点:

  • クローン病とは患者数が増加している消化管全般を脅かす炎症性疾患
  • 消化管の穿孔・瘻孔・狭窄、痔ろうなど手術を要する病態を引き起こしやすい
  • 根治は望めず、治療の目標は「症状の改善」と「粘膜治癒」を維持する
  • 症状が無くてもしっかり治療を継続することが重要
  • 生物学的製剤により手術の回避が目指せるようになってきた

食事の工夫について

腸に炎症が起きると、食欲が低下し、腹痛や下痢に襲われます。私はこれを良く経験しているので分かります。
栄養素を消化吸収する機能が低下しているため、健康な人よりも栄養不良が起きやすいのです。

クローン病患者の食事には4つのポイントがあります。

食物繊維の種類と摂取量

食物繊維には不溶性水溶性の二つがあります。

水溶性食物繊維:リンゴ・桃などの果物
作用:便を形づくり下痢を抑える

不溶性食物繊維:豆類・海藻類・キノコ類
作用:水分を吸って膨らみ便通を整える※腸を刺激する

摂取する食物繊維の量は狭窄あり:10g、狭窄なし:17~18gとされています。

低脂肪のものを食べる

脂肪は腸の蠕動運動を亢進させたり、炎症を引き起こす原因となるため、摂取は30g程度に抑える。
それを越えた場合、炎症を起こしやすくなります。

炎症を抑える炎症を起こす
n-3系脂肪酸飽和脂肪酸n-6系脂肪酸

なたね油
えごま油
キャノーラ油
乳製品
バター
ラード
牛脂
ごま油
大豆油
コーン油
ドレッシング
マーガリン

低刺激のものを食べる

個人差はあるものの、刺激となりやすいものは避けるべきです。

刺激となりやすいもの:

  • 香辛料などの刺激物
  • コーヒー
  • アルコール
  • 炭酸飲料

講義では取りあげられませんでしたが、私の場合、小麦粉(グルテン)もダメでした。
その辺は個人差が大きいため一概に言えないのだと思います。

十分なエネルギーを摂る

1日に摂取すべきエネルギーは「30~35kcal ÷ 理想体重」で求められるそうです。
理想体重の求め方は「身長 × 身長 × 22」です。

私の場合は、身長166cmなので次のように出ました。
理想体重=1.66×1.66×22=60.62kg
エネルギー=60.62×30=1818.6kcal

私の体重は58kgなのでもうちょっと体重が欲しいですね。
このカロリーを参考に食事の量を決定します。
脂肪が30g以下という制限があるので、炭水化物をしっかりとるようにしてカロリーを調整する必要があります。

質疑応答を聞いて思いましたが、食生活に神経質になりすぎても、カロリー不足や栄養失調になってしまいそうです。栄養失調で体調不良になったら本末転倒なので、その辺は、栄養士さんとよく相談してメニューを考えた方がいいと思いました。

治療と仕事の両立支援

クローン病の患者数は全国に4万人程度しかおらず、知名度がほとんどない病気です。
そのため、周りに理解が得られず、就労に苦労する方が多いそうです。
また、難病を持っているからと言って、就職できなかったり、差別をされたりと悲惨なストーリーを聞きました。マイノリティである以上そういった風当りは仕方ないものですが、国や県はしっかりとそういった人たちにも手を差し伸べてくれています。

次のような相談機関があり日常生活的な相談であったり、ハローワークと連携して理解ある企業との就労のマッチングを行っているそうです。

これは初めて知りました。クローン病を再燃したときは生活保護を受けるか、変な話、命をあきらめることしか思いつきませんでしたが、こういった相談窓口があることを知り、仕事を見つける機会があると思うと安心しました。

現在は仕事は少ないものの一応あるので、今の仕事が無くなったり体調的に困難になったら、こういった機関に相談しようと思いました。

感想と学び

今回、初めてクローン病の講演会に参加しましたが、色々な学びがありました。

自分は緩解して克服したと思っていましたが、統計データを見る限り、再燃と緩解を繰り返しながら悪化していく病気のようで、決して油断できない難病であると再認識しました。

いつ再燃するか分からないけれど、これからも健康第一でQOLを上げて生活していきたいと思いました。

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中の人

小林 拓弥
Instagram:tak.uyakobayashi  YAMAPヤマレコ

クローン病を乗り越えトレランや登山に挑む!健康を追求しながらアウトドアを楽しみたい!

・2014年 クローン病発症
・2022年6月 再燃
・2022年8月 ブログ開設。走り始める
・2023年5月 初めてのトレラン大会

興味関心:キャンプ/登山/トレラン/合気道
月間走行距離:150kmくらい

リザルト:
『上州八王子丘陵ファントレイル2023』58位(ハーフ男子39歳以下)
『古峰ヶ原高原トレイルラン2023』133位(ショート男子)

中の人について詳しく

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