栃木県「3.高原と牧場のみち」「4.湿原とせせらぎのみち」を歩く

関東ふれあいの道とは関東地方1都6県をぐるりと一周する1800kmの長距離自然歩道です。
今回は栃木県の「3.高原と牧場のみち」「4.湿原とせせらぎのみち」を歩いてきました。
前回の記事はこちらから:
【栃木県】1.赤銅のみち・2.修験行者のみち
今回のコースは古峰ヶ原高原ヒュッテから前日光ハイランドロッジを経て井戸湿原まで歩きます。コース上ではその後に発光路のバス停まで長い林道歩きがありますが、そこは省略します。
古峰ヶ原高原ヒュッテからスタート
前回、古峰ヶ原神社まで行ったので、今回は古峰ヶ原高原ヒュッテからスタート。

駐車場にある案内標識が撮影スポットなので、提出用の自撮りをパシャリ。
ここから三枚岩を経て、前日光ハイランドロッジへ向かいます。

晴れ渡る空と爽やかな風、絶好のハイキング日和でした。
山の上はとても快適でしたが、下界は36℃の猛暑日だったようです。
涼しい登山道を力強く進んで行くと、一の鳥居が現れました。

鳥居の役割は神域と俗界を隔てる結界であり、不浄なものが入ることを防ぐ役割があるとされています。ここから先は神域です。
少々ガレていますが、緩やかな登りが続いています。

山の話になると「どこそこはキツいですか?」などと聞かれることがありますが、いつも返答に悩みます。
人によって「キツい」の閾値が異なるので適当なことは返答できません。
自分の言い放った言葉が多少なりとも他人の意思決定を左右してしまう事を考えると、少し怖くなってしまいます。考えすぎでしょうか。
そんなこんな二の鳥居です。

山を歩いているとぼーっと頭の中で思考がぐるぐると周り、徐々に意識がクリアになっていきます。
1日10時間歩きっぱなしの時もありますが、座禅の時のような精神状態になり、不思議と全く暇しません。
岩の間を抜けていきます。標高が上がり尾根が近づくと、岩も大きくなっていきます。


三枚石
天狗の庭を経て、三枚石に到着しました。

あのハンバーガーのような石の上で、日光開山の祖である勝道上人が座禅の修行を行ったそうです。

三枚石は「三昧」にもかかっているようです。
さんまい【三昧】
https://kotobank.jp/word/%E4%B8%89%E6%98%A7-71493
① (samādhi の音訳。~略~)雑念を離れて心を一つの対象に集中し、散乱しない状態をいう。この状態に入るとき、正しい智慧が起こり、対象が正しくとらえられるとする。三摩堤(さんまだい)。三昧正受。
ここからしばらく、ほとんど平坦な尾根歩きになります。
ツツジ平。

だいぶ古い「首都圏自然歩道敷」の標識。

しばらく尾根を歩くと、牧場と日光ハイランドロッジが見えてきました。

ホルスタインと黒毛和牛がいました。おいしそう。


前日光ハイランドロッジ
「高原と牧場のみち」終点の前日光ハイランドロッジに到着。
ここまで1時間半ほど。

このまま「4.湿原とせせらぎのみち」も進みます。
横根山
ハイランドロッジから横根山を目指します。

少しミスコースをしましたが、遠回りをして横根山に到着。
横根山(1373m)三角点が設置されていますが、鬱蒼としており眺望はありません。

東屋が設置されています。

次は井戸湿原へ向かいます。

井戸湿原の周りは鹿よけのフェンスがありますが、人間はこのように通れます。

緑のトンネルを抜けると、そこは…

尾瀬のような湿原だった。

井戸湿原は一段低い場所に広がっており、そこには冷たい空気がたまっていました。
これまでの行動で体温が上昇していましたが、この湿原はそれをやさしく冷やし、本当に気持ちよかった。

井戸湿原の周辺は数種類のツツジがリレーするように咲いているそうで、シーズンになるとしばらくの間、色とりどり鮮やかなツツジが楽しめるそうです。
仏岩
象の鼻へ向かう道中にあるとても大きな岩です。

高さは2.5mくらいでしょうか。上の方は苔むしていて威厳のある堂々とした佇まいです。
勝道上人や修験者たちが山岳修行のためにこの地を歩き「仏岩」と名付けたそうです。
確かに、この岩を見たら仏岩と名付けるのも納得です。
関東ふれあいの道の撮影スポットなのでここで自撮りを忘れずに。
象の鼻
象の鼻に到着。岩が象の顔に似ているため象の鼻と名付けられたそうです。

今日見てきた大きな岩々はマグマがゆっくりと冷えて固まってできた花崗岩です。
お疲れ山でした
というわけで、今回の山行はここで終了です。
行動時間2:32 距離8km 累積標高823m(ジオグラフィカ)でした。
お疲れ山でした。
前日光ハイランドロッジに戻ってバニラソフトクリームを食べました。

400円はちょっと高いけど少し疲れた身体に染みました。
ジムニーの車中泊システムもなかなか安定してきました。
必要なものが全て手の届く範囲にあり、必要なことは全てできます。この状態で運転も可能。

車中泊システムを展開後も30秒で3シーターになります。

というわけで、仲間と3人で「つつじの湯」に向かいました。


こんな山奥にこれほど立派な温泉施設があったなんてビックリ。
とても綺麗な作りで、露天風呂もあり、広い休憩室もあります。
通常は大人600円ですが、この日は温泉をくみ上げるポンプの故障で、井戸水を沸かして提供しているため300円になっていました。温泉でなくても風呂は風呂。300円で入れるならありがたい。
ゆっくりと露天風呂で40分つかり、冷房の効いた広い休憩室でぼーっとテレビを見ながら無料のほうじ茶を飲んで休憩。最高のひと時でした。
あと、この辺キツネが出ます。

この辺の湧き水は生で飲まない方がいいな…
キツネは怖い感染症を持っている?
キツネが人に媒介する感染症として代表的なものがエキノコックス症です。これはエキノコックスという寄生虫の卵が体内に入ることで起こる病気。潜伏期間は10年と長く、発症すると肝機能障害が起きて死亡することもあるものです。
身近な野生動物 キツネの不思議な生態と人との関わり
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