クマ遭遇時の対応術:遠距離から至近距離までのベストプラクティス
登山を始めてから現在までに何度かツキノワグマと遭遇した経験があります。
最近では、クマの生息地や数が増えているようで、熊との遭遇に対する対策を真剣に考える必要があると感じました。そこで、ツキノワグマに関する知識を調査し、以下にまとめました。これから山での安全な過ごし方やクマとの遭遇時の対処法についてお役立ていただければ幸いです。
クマと遭遇した際の距離ごとの対処法
クマと遭遇した場合、距離によって対処方法が変わってきます。
いずれの距離でも落ち着いて対処することが一番大切です。
遠くにぽつんと見える遠距離
落ち着いて静かにその場を立ち去ります。
もしクマが気づいていない場合は、音をたてたりしてこちらの存在を気づかせます。
到達まで数秒くらいの中距離
落ち着いて、背中を向けず、クマを見ながらゆっくり後退します。
クマよけスプレーがあればゆっくりした動作で準備します。
向かってくる様子があったら思い切って、手を広げたり振るなどして自分を大きく見せましょう。
動物は自分より大きいと思ったものに対して少なからず恐怖を覚えます。
数mの至近距離
クマよけスプレーを準備できていた場合、風向きに関わらずクマの顔めがけて噴射しましょう。
最終手段として、うつぶせになり、腕で頭と首を守り防御姿勢になりましょう。
クマの主な攻撃は頭部へのひっかきや噛みつきで、一撃を与えた後に逃走する場合が多いとされています。
そのため、前述の防御姿勢により生存率がぐっと上がります。
クマに遭遇しやすい時期
クマの目撃情報は1,2,3月にぐっと低くなるものの、4月~12月は頻繁に目撃されています。
特に、6,7,8月と、冬眠前である10月が、目撃数のピークとなっています。
夏と秋はクマとの遭遇に最も注意すべき時期です。
クマの生態
クマの食性は植物性食中心の雑食で、時々、魚・昆虫・動物の死骸などを食べます。
個体差はあるでしょうけど、積極的に狩りをするような動物ではありません。
11月下旬~12月頃から冬眠期に入り、3月~5月頃まで冬眠します。
初夏は繁殖期でオスは気が立っています。
秋は越冬のための餌探しで活発になります。
クマよけの鈴って効果あるの?
クマよけの鈴はあくまで気休めでしかないという説があります。
しかし、専門家の見解では、クマよけの鈴を持っていた方が不意な遭遇の確率が低くなるとされています。
小型ラジオをクマよけの鈴代わりに流す場合は、小さなスピーカーでは音圧が足りず、
遠くまで音が届かない場合があるため注意が必要です。
クマよけの鈴の効果が無い場合も…
人間の食べ物の味を覚えたクマは、鈴の音を頼りに襲い掛かってくる場合もあります。
クマよけの鈴もむなしく至近距離で遭遇した場合は、
最終的にクマよけスプレーが役に立つでしょう。
POLICE MAGNUM 熊撃退スプレー 中型 (全国の複数の国公立機関・地方自治体正式採用品/JSDPA認定品) B-609
↑クマの目撃情報が多い山に行くときはこれを持って行っています。
平和に山を楽しみましょう
登山中はクマの生活圏にお邪魔している立場なので、
可能な限り、接触しないように努力したいところです。
クマに襲われそうになった場合は、命を守るために全力で反撃を行う必要はありますが、
そうでない場合は基本的に冷静に穏便に済ませましょう。
野生動物や植物をリスペクトしつつ折り合いをつけて安全な登山を楽しみたいですね。
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参考文献:
クマ類の出没対応マニュアル – 環境省
熊鈴って効果あるの?と専門家に聞いてわかった登山者がすべき本当のクマ対策 – YAMA HACK
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