古峰ヶ原トレラン偵察からの「こうやって遭難するんだろうな」

- タイム
- 4:12
- 距離
- 12.1km
- 上昇量
- 968m

古峰ヶ原高原トレイルランニングのコース偵察に行ったが水不足で敗退し、
「こうやって遭難するんだろうな」と思ったお話です。
古峰神社からスタート
9/30の古峰ヶ原高原トレイルランニングのショートの部にエントリーしたので、それに向けてコースの偵察をしようと思いました。
意気揚々と古峰神社をスタート。

とても大きな「大駐車場」を横目に走り抜け、コーナーを越えた左手にひっそりと登山口がありました。
健脚向け登山道
案内板には健脚向けと書いており、地形図からも急登が予想されます。

最初は緩やかな登りで、走れるトレイルでした。
次第に傾斜がきつくなり、体の重さも感じ始め、滝のように汗が流れて行きました。
だいぶ前に一度だけこのコースを歩いたことがありますが、その時も体が重くなったのを思い出しました。山域によって体が重くなったり軽くなったりするのは個人的にあるあるです。何かそういうパワーがあるのかもしれません。
1時間半ほど急登を進むと、徐々に斜度が緩やかになり、尾根に出ました。
三枚岩
体調のせいか急登のせいか、何度か心が折れましたが、三枚石に到着しました。

3枚の岩がハンバーガーのように重なっています。
この岩の下で日光山を開山した勝道上人が座禅の修行をしたといわれています。

ここは金剛山 瑞峯寺の奥の院でもあります。
瑞峯寺は古峰神社よりも3.8km下った所にあるお寺です。
古峰神社の一の鳥居をくぐり、少し進んだ左手に瑞峯寺が現れるので、そこを古峰神社と間違えて見て帰ってしまうという人も居るとかいないとか。この密接な位置関係は神仏習合を感じさせます。

勝道上人は西暦757年、23歳の頃に古峰原を開山したそうです。
その25年後に日光山(男体山)を開山し、中禅寺を開いたと言われています。

当時の修行僧は傘・杖・サコッシュ・草鞋という装備で修行に臨んでいたのでしょうか。

三枚岩から古峰ヶ原高原ヒュッテに向かいます。三枚岩からは緩やかな下りで道も踏み跡がしっかりしていて気持ちよく走れます。ただ、クマがよく出るエリアなので注意が必要です。
古峰ヶ原高原ヒュッテ

深く掘り下げませんがこのヒュッテと古峰ヶ原高原は曰く付きです。
ヒュッテから巴の宿へ向かい、舗装路に出ます。
舗装路から登山道に入っていく所が良く分かりませんでした。
公式の地図のルート上にはガードレールがあって登山道に入れそうなところはありませんでした。

結局それっぽい所から入りましたが、この辺は要確認ですね。

この山域は古峰山と呼ばれています。

ここから尾根を伝って行者岳へ向かいます。
行者岳からのエスケープ
ここも地味に急登で、何度も引き返そうか悩みましたが、どうにか自分を奮い立たせ、行者岳までたどり着くことができました。シャツは汗でびっちょり、水は半分くらいになりました。
コースでは、地蔵岳(P1483)手前のP1281を過ぎたところで、古峰神社方面に降りていくルートになっていますが、現在の水の量ではその行程は難しいと判断し、今いる行者岳からエスケープすることにしました。
最初は引き返そうと思いましたが、今まで歩いて来た道を思い出すとおっくうになり、地理院地図上に示されていた破線の登山道を辿ることにしました。
こちらなら最短距離で、神社までのとてつもなく長い舗装路もスキップできます。
この自分の思考を俯瞰して「遭難シリーズの中に似たような話があったよな」と過りました。

地理院地図上には破線ルートが書いてあるし、現地も藪っぽくないので地形を辿って行けばきっと大丈夫だろうと思い、尾根を進んで行きました。
植林と原生林の境目をなぞるような道が続き、なんとなく分かりやすい道でした。

途中でマーキングやケルンもあり、人の気配を感じて安心しました。

しかし、問題は地図の真ん中あたりの90度転換して北に降りていく所。

実際の場所はこんな感じ。
地理院地図上では、画像の左下の谷へ破線が伸びているのです。

ここで破線の通り行くかどうか迷いました。というのも、今見える地形はただのくぼみですが、標高を下げていくと、沢になり、川になり、しまいにはとても険しい川になる可能性もあります。
谷に降りる行為は気が引けますが、等高線を見る限り、それほど急な谷ではなさそうなので、戸惑いながらも慎重に進んで行きました。
予想通り沢が現れました。
しかし、幸いなことに道はそれほど険しくなく、林道に出る事ができました。

もし、沢がますます荒れて大きな川になっていたら…引き返すために必要なリソースが足りないと分かった時の恐怖…遭難者が経験するであろう心理的な苦境を感じました。
少し好奇心もあってこのようなルートを選んでみましたが、十分な装備・体力・計画の重要性が良く分かった山行でした。
肝心な偵察ですが、体力をつけてから再度挑戦しようと思います。
COMMENTS